カツラ犬猫病院

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[休診] 木曜、日曜午後、祝日午後
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ひざQアンドA
ひざ Q&A
整形外科疾患で多いのが、犬の〝膝〟の病気です。
  • 歩き方がおかしい
  • 散歩を喜ばなくなった
  • 階段をいやがる
こんな症状が見られたら、
それは病気のサインかもしれません。
膝についての基本的なことを知っていただくことで、
愛犬愛猫の変化にいち早く気づいていただければ幸いです。
Q1
膝は、ドコ?
そう訊かれて、即、正解を出せる飼い主さんは意外と少ないものです。さて、どこでしょう?
答えはこちら
膝は、ココです!
ヒトと違って、外見からはちょっとわかりづらいですね。このように立った状態での膝は、ももの骨(大腿骨=だいたいこつ)とすねの骨(脛骨=けいこつ)が常にくの字に曲がっています。
ちなみに※の部分が〝かかと〟になります。地面からずいぶん離れて、高い位置にありますね。
Q2
膝って、どんな関節?
屈伸したり、跳躍したり、負荷や衝撃を吸収したり…。
膝は動物が運動する上で重要な関節ですが、解剖学的にはどんな関節だと言えるでしょうか?
答えはこちら
膝は、とても不安定な関節です。
股関節や肩など、膝以外の関節は、骨と骨が凹凸の関係で収まることで安定しています(※これを骨性関節といいます)。一方、膝は、どちらの骨も凸部分が多いため、骨同士でささえ合うことができません。「靱帯(じんたい)」というコラーゲン主体の強固な繊維組織によって連結され、支持されることで安定性が保たれています(※これを靱帯依存性関節といいます)。靱帯は、関節が許容範囲を超えて動きすぎないようにガードする役目も担っています。
Q3
靱帯は、骨と骨を
どうやってつないでる?
大腿骨と脛骨を連結し、膝を形成している靱帯。
その連結の仕組みとは?
答えはこちら
4本の靱帯が、
関節の中と中、外と外をつないでいます。
前・後・内・外、どの方向にもズレてしまうことのないように、靱帯という頑丈なバンドが骨と骨をつないでいます。
脛骨が前方にねじれないように働く
前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)
脛骨が後方にねじれないように働く
後十字靱帯(こうじゅうじじんたい)
膝が内側に入り過ぎないように働く
内側側副靱帯(ないそくそくふくじんたい)
膝が外側に動き過ぎないように働く
外側側副靱帯(がいそくそくふくじんたい)
Q4
「前十字靱帯」の損傷や断裂が
犬に多いのはなぜ?
骨格の問題? 運動の質や量の問題? それとも…
答えはこちら
激しい運動、加齢や免疫が関与する靱帯組織の脆弱化、肥満による関節負担の増大、が三大要因です。
前十字靱帯が断裂する原因には様々なものがありますが、いまだに不明な部分が多いのも事実です。激しい運動、交通事故や落下など、膝に急激な圧力がかかることによっても発症しますが、骨格の構造上、ヒトの膝と違い、常に曲がった状態でテンションがかかっているため故障が起きやすいということも要因の一つだと言えるでしょう。
靱帯はコラーゲン組織ですので、高齢になったり様々な要因で弾力や強度が失われ、脆弱化していきます。また体重が増加すると、荷重に耐えられなくなって傷ついたり切れたりしてしまうことも多くあります。
Q5
前十字靱帯が切れてしまうと
膝はどうなる…?
切っても切れない関係の、靱帯と膝。
前十字靱帯のダメージは
膝にどんな影響を与えるのでしょうか?
答えはこちら
大腿骨がグラついて、
「半月板」を傷つけてしまいます。
大腿骨と脛骨の間の隙間には、クッションの役目をしている半月板という軟骨繊維の組織がありますが、前十字靱帯の支えを失った大腿骨が不安定な状態で脛骨に当たることで損傷してしまいます。半月板が潰れたりちぎれたりしてしまうと、強い痛みが生じ、歩くことが困難になります。
半月板は、損傷を受けた部位や程度によって治療方法が変わってくるため、前十字靱帯断裂が疑われた場合は速やかに検査をして半月板の状態を把握する必要があります。半月板の検査には「関節鏡」を用います。
Q6
関節鏡って、どんなもの?
どうやって検査する?
犬や猫の小さな関節の中を診ることが
できる機器とは?その検査とは?
答えはこちら
関節鏡は内視鏡の一種です。
直径約2mmの筒を関節に挿入して、
中の様子を調べます。
関節鏡は、外からは見えない関節の中をモニターに映し出すことで、肉眼で見るより大きく鮮明な画像で状態観察をすることができます。切開に比べ、体への負担が圧倒的に小さくて済むことから、整形外科では欠かせない高度医療機器となっています。当院では、検査はもちろん、治療や手術においても、関節鏡を活用しています。
※当院では触知・探査プローブと光学視管スコープは、最小径である1.9mmとワンサイズ上の2.4mmを使用しています。径が太い方が、より鮮明な画像を得られます。
Q7
膝の〝お皿〟が外れるって、どういうこと?
膝蓋骨はどんな状態になるのでしょうか?
答えはこちら
膝のお皿(膝蓋骨、英: パテラ)が本来の位置からズレてしまうと〝脱臼〟が起こります。膝蓋骨脱臼は、膝の病気の中で最も多く見られる疾患です。
膝蓋骨は大腿四頭筋と膝蓋靱帯という太い靱帯に連結された状態で膝関節の前面中央に位置しています。膝蓋骨は膝の屈伸に合わせ、大腿骨の溝の上をなめらかに上下しますが、溝が浅かったり、外力が加わったりすることで内側もしくは外側に外れてしまう(脱臼)ことがあります。 膝のお皿が内側に外れる「膝蓋骨内方脱臼」は、成長段階(2才以下)の小型犬に多く見られます。
膝蓋骨が外れると犬は後ろ足を蹴り上げるような仕草をしますが、軽度の場合は自然に元の位置に戻ることも多く、痛みの症状もまったく見られないことがあります。しかし放置すると重症化し、前十字靱帯断裂など別の病気を引き起こすことも多いため、兆候が見られたら若齢のうちに適切な治療をおこなうことが大切です。